加藤神楽という候補生が物議に! 日プ女子から見る「日韓の〝アイドル〟観の違い」とは?【梁木みのり】
韓国が整形大国なのは周知の通りだ。韓国の大手事務所SMエンターテインメントなどでは、まず現状の顔立ちは十分でないが骨格などが優れている練習生を採り、グループのコンセプトに合うように整形させてからデビューさせるという話もある。
K-POPアイドル市場を見る限り、歌・ラップ・ダンスと並んで、ビジュアルも立派な評価基準の一つだ。「このグループのビジュアル担当といえば誰?」といった質問が、ファン同士はおろか、本人たちにも尋ねられることがある。「ビジュアル」はK-POPアイドルたちの口に非常によく上る言葉だ。
一方、特に秋元康のプロデュースでは、全体を見ると端正な顔が揃っているのに、「センターがこの子?」という場合がままある。お世辞にもとびきり美人とは言えない、しかしなんだか心掴まれる……という顔立ちのアイドルを、秋元康は前に押し出すのだ。
考えてみれば確かに、アイドルはモデルでも女優でもなく、愛着を持ってくれるファンを増やす職業なのだから、特徴のない美人よりも、少し欠点があっても覚えやすく親しみやすい顔であったほうが有利だ。日本的発想に立場を変えれば、韓国のアイドルの作り方のほうが邪道ということになる(ちなみに少女時代ユナ、Red Velvetアイリーンなど、SMエンタのセンターはいつも「とびきり美人」だ)。
秋元グループのオーディションでも、歌唱審査とダンス審査がおこなわれる。しかし、秋元康が見ているのはおそらくスキルの完成度ではない。元乃木坂46大園桃子が、オーディション中ずっと泣いていたというエピソードはよく知られている。彼女のように、何か「他と違う」と思わせるものを見て採用しているに違いない。秋元康本人も、「完成されている子は落とす」と語っている。
ちなみに旧ジャニーズ事務所のオーディションは、ダンスと自己PRだけで歌唱審査がない。しかも、「たまたま話しかけたおじさんがジャニーさんだった」というだけで受かったアイドルが少なくない。日本の敏腕プロデューサーは、こうした、数値化しづらい「持ってる」原石を探して、国民的アイドルを作ってきた。
K-POPに視点を戻そう。大手事務所のプロデューサーなら「持ってる」感も加味しているだろうが、それでもやはり、歌・ラップ・ダンス・ビジュアルといった数値化しやすい評価軸が第一に来ているように感じる。